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【総研研究会】生命科学研究部会 講演会「オオムギの遺伝子情報に基づくコムギ穂発芽耐性の標的改変」

イベント / 2023年 12月15日 開催
2023年 10月13日 掲載

総合研究所

 総合研究所研究会 生命科学研究部会主催の講演会を開催いたします。
ご興味のある方はご参加ください。

 

東京農業大学 総合研究所研究会 生命科学研究部会 講演会

  

日 時:2023年12月20日(水)16:30~18:00

会 場:東京農業大学・世田谷キャンパス・1号館632教室

申込み(Forms):https://forms.office.com/r/HrgECseR4u

申込み期限:12月15日(金)

講演 オオムギの遺伝子情報に基づくコムギ穂発芽耐性の標的改変 

岡山大学資源植物科学研究所 佐藤和広 博士

コムギは、6千年以上前に3種類の近縁の植物が自然に掛け合わさってできたとされており、3つの異なるゲノムをもつ異質六倍体の作物です。さらに、最近の研究から、二倍体のゲノムをもつオオムギも、コムギと祖先が同じで、塩基配列の似た遺伝子をもつことがわかってきました。コムギのように同じ祖先の遺伝子(同祖遺伝子)が複数のゲノムに存在する植物において、農業特性を改良するには、各ゲノムの同祖遺伝子を区別して、個別に変える必要があります。つまり、オオムギのように1対の遺伝子しかもたない作物にくらべて、コムギで3対の遺伝子の変化を遺伝子鑑定で選ぶには、複雑な技術を必要とします。そのため、これまでは多くの労力と時間をかけて、それぞれのゲノムにある同祖遺伝子が変化した植物を探し、それらを掛け合わせて品種改良に使ってきました。一方、近年開発が進んだゲノム編集技術は、遺伝子の特定の配列を狙って変えることができます。狙っている遺伝子の配列が同じであれば、理論的には一度に複数の遺伝子配列を変えることも可能です。

穀物の種子休眠は雨の多い地域で収穫前に穀粒の芽が出る「穂発芽」を防ぎ、コムギでは穀粒を製粉して得られる小麦粉の品質維持のため、オオムギではビール醸造に用いる麦芽を均一に加工するために重要な形質です。オオムギの主要な種子休眠性に関わる量的遺伝子座(QTL)は我が国の研究者が世界に先駆けて単離に成功し、ゲノム編集によるノックアウト作成によって種子休眠が遅延して穂発芽に効果のあることを証明しました。さらに、二倍体のオオムギで同定された種子休眠性遺伝子の配列情報をもとに、ゲノム編集技術を用いて新規な遺伝変異による穂発芽耐性機構を六倍体コムギに導入することを試みました。

主催 東京農業大学総合研究所研究会生命科学研究部会
問い合わせ先:バイオサイエンス学科 太治 輝昭(t3teruak@nodai.ac.jp

 


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