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「Rを活用した食・農データサイエンス実践講座」成果報告

お知らせ
2022年 12月26日 掲載

総合研究所

総合研究所研究会 食・農データサイエンス部会
令和4(2022)年度特別活動成果報告『Rを活用した食・農データサイエンス実践講座』

食・農データサイエンス部会は、データを軸として情報科学・統計などのアプローチから有益な知見や経済的価値を生み出すことを目的とし、食品や農水産物の研究においてデータサイエンス手法を適用して新たな有益な知見や経済的価値につながる能力の向上の貢献につながる、実データにもとづく実践的なデータサイエンスを、Rプログラムを通して学ぶ機会である実践講座を開催しました。

「食・農データにもとづくデータサイエンスの実践を目指す!」とのテーマのもとRを活用した食農データサイエンスとして、1.食農データサイエンスとは、2.Rプログラミング基礎、3.統計検定:連続分布による統計学実習、4.多変量データの視覚化法、5.食品分析と統計学:外れ値の理解、6.機械学習:お米、棒茶データの課題を最新事例ならびにRプログラミングの概略を解説しました。参加人数は66名(対面、オンライン合わせて)でした。

具体的には、金谷重彦氏(部会長、奈良先端科学技術大学院大学)からデータサイエンスの意義並びに本実践講座の目的を伝えた後、食品分析データを用いた品質管理を専門とする永楽哲嗣氏((一財)日本食品分析センター)ならびに芹野武氏(アジレント・テクノロジー(株))によりRStudioの起動からRプログラミングの基礎が解説されました。食品分析データの精度管理の専門家の三宅大輔氏((一財)日本食品分析センター)によって分析結果データの外れ値やばらつきについての統計学的な判断法や評価法について実習を行いました。ご飯の呈味性の研究をしている辻井良政氏(東京農業大学)により、ご飯の味質の網羅的解析、GC-MS を用いた米飯メタボローム解析によるデータサイエンスにより食品成分と食味との関係の把握ができることが示されました。官能試験の専門家である堀口恵子氏(東京農業大学)から市販ヨーグルト5種類の官能評価結果のクラスター分析などの統計解析事例が紹介されました。さらに、金沢の伝統食品の科学的データによる高付加価値の支援を進めている笹木哲也氏(石川県工業試験場)により加賀棒茶のメタボロミクスと香気成分分析のデータサイエンスによる棒茶の識別事例が示され、茶の品質評価、製品改良などにデータサイエンスが応用できることが解説されました。本実践講座では、会場参加者に実際に加賀棒茶、高級葉ほうじ茶、ほうじ茶を飲んでいただき官能試験のアンケート調査を行い、その結果を用いてRを用いた統計解析を行って結果の解説を行いました。このように、会場での官能試験の実データを用いたプログラミングを経験することによりデータサイエンスの利用をより身近なものとして理解することができました。

本実践講座に対する参加者のアンケート結果では、Rの使い方から実践的活用において極めて高い評価を得ました。このように、受講者参加型の本実践講座では、食・農データサイエンスの活用法の理解と今後のデータサイエンスの活用の可能性を実践的に知ることができたことが最大の成果となりました。今回の実践講座の開催にあたり、ご協力いただきました稲・コメ・ごはん部会、ならびに東京農業大学総合研究所研究会関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

『Rを活用した食・農データサイエンス実践講座』

  • 日時:2022年11月17日(木)・18日(金) 10:00~16:30
  • 開催方式:ハイブリッド(会場/オンライン)
  • 会場:東京農業大学 世田谷キャンパス 農大サイエンスポート8F エアブリッジ
    ※オンライン参加は会員(部会を含む総研研究会会員)・学生限定
  • 参加費:会員(部会を含む総研研究会会員)・学生 無料/会員外(一般) 5,000円

<プログラム> 
~R を活用した解析プログラムの基礎から適用事例まで~
1日目(11月17日)
1.食農データサイエンスとは?!
2.Rプログラミング基礎
3.統計検定1: 連続分布による統計学実習:離散分布による統計学
4.多変量データの視覚化:PCA、Three Way Component Analysis、視覚化法
2日目(11月18日)
5.食品分析と統計学:外れ値の理解など
6.食品栄養成分表からのマイニング:機械学習
7.お米の機械学習
8.棒茶のR解析

参加者数(部会幹事を除く)
1日目:43名
2日目:23名
※1日目が基礎編、2日目が応用編的なプログラム構成であったため、2日目の参加者が減少したと考えられます。参加募集定員の40名にほぼ近い人数の参加での開催となりました。


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